A tiny piece of Japan #28
奈良市押熊町
いろんな場所で撮影してますが、天気の良い日がほとんどないですね。笑
ここ数年は写真に人を配置することを意識して、少し待ってみたり、とかは全然しなくなりました。
自分の中に引っ掛かりがある風景に拘って写真を撮っているのに、かっこいい位置に人物を配置する、
っていうのは写真の要素としてはいらないですね。
そもそも引っ掛かりのある景色が人物込みで思い入れのあるものの場合もあるので、
その場合は小さく人が入っていてもいいなぁとは思います。
人物がどういう雰囲気の人なのかまで判別できてしまうと、写真自体がその人に引っ張られて、
意味合いが変わってしまいますね。
そんなこと考えてたら肖像権の話を思い出しました。
SNS利用者が爆発的に増えた2010年代に肖像権の話が写真界だけでなく、世の中全般で問題になってましたが、
確かに、人物スナップを撮っていて、例えば路上でキスをしている若者を撮影している写真家さんとか、
そういうシーンを本当に撮影して公共の場に作品として展示するなら、自分のプライベートも晒しなさい、
とは思ってました。
それは肖像権とかとは違うかなりレベルの低い話かもしれませんが。
大道さんとかが神様のように崇められている写真界と、一般の方達とは認識がまったく異なるわけで、
僕は森山大道さんの写真が大好きで写真集も何冊も持ってますが、だから大道さんが訴えられたら、
絶対に擁護する、とかは思ってないです。
ご本人もそれくらいの覚悟はおありかと。
なので、肖像権の話が盛り上がって、今はなくなってしまったアサヒカメラとかで肖像権とスナップを、
特集で扱った回の内容の薄さに、がっかりしたことを思い出します。
いや、そら許可なくこっそり撮られたら気持ち悪いにきまってるやん、っていう論調が1ミリもありませんでした。
ただ、街並みや建物の肖像権まで言ってしまうと、いろんなことができなくなってしまいますね、
とも思ってます。
写ってる人が全然判別できないようなものにまでやいやい言うのも違うと思ってます。
こういうグレーゾーンありの考え方は通用しないものかもしれませんが、どうもこの類の話は、
特に僕らのように物を作る側の人間は、はっきり線引きしない方がいい気はしますね。
ただ、写真にだってモラルは必要に感じます。
そしてそのおかげで、もう思い切った人物スナップ、というものはなかなか見られなくなっていくのかもしれませんね。
by iidacamera
| 2022-06-12 17:00
| A tiny piece of
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